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夢の世界へ

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記憶



  薄っぺら


   貴方は 薄っぺらな人です
   
   誇れる趣味も無ければ

   自分が正しいという自信もない

   毎日を完璧に納得して終わらすこともなく

   無駄に足掻いて溺れている

   貴方は 薄っぺらな人です

   誰からも 感謝されることもなく

   尊敬されることもない

   それでも目を反らし

   微笑みを携え

   萎えてしまいそうな自分と戦い

   いかにも生きていますという姿勢を繕う

   貴方は薄っぺらな人です

   たとえば死んでしまっても 誰も悲しまない

   たとえば生きていても 誰も愛されない

   それでも居なくなってしまえば

   困ることもあるだろうと

   薄っぺらな心で守ってあげられることもあろうと

   必死に生きている 薄っぺらな 貴方です



  灯火

 
   電車の窓から見える
   夜の街は
   
   家の窓の灯火に
   家族の幸せを 見る

   胸がキュンと鳴く
   陽の匂いのする布団と
   暖かな食卓
   母の笑顔

   帰るあての無い私は
   眠い心を
   最終電車に押し当てて
   諦めという駅に下車する


        夜桜            
                                     
                              
       嵐の様な春風に          
       重い雲も吹き飛ばされて      
       ポッカリと空いた春の夜空         
                                     
       空を               
       見上げることも無くなった     
       私の濁った眼にも         
       今夜ばかりは           
       沢山の星が見えます        

       ボムボムボムと          
       少しの間             
       歩きましょうか          
       春の夜道 桜路          




恋心

  踏み出してしまった1歩を
  どうやって 引っ込めるか

  馬鹿は泥に全身浸かって
  泥まみれにならなくては理解できない
  それが区切りになる
  
  頭で分かっていても
  痛い思いをしてみなければ
  身に染みないこともある

  ぶつけたつもりで投げた心が
  跳ね返ってこない
  暗闇に飲み込まれてしまって
  心が無くなってしまう

  悲しくて 情けなくて
  どうしたらよいのだろう
  
  あんたの言葉を計りに掛ける
   どう思っているのか 計りに掛ける

  ドキリとする言葉
   嫌われているだろう言葉

  どちらが多いか 計りに掛ける
  
  くだらない独り相撲
  考えすぎてヘドがでる
  ヘドが苦しくて泣けてくる
  
  何時までも友達でいようよ
  嫌いでも好きでも どちらでも良い
  ポーカーフェイスで
  好きなふりをして
  私の心を受け取ったふりして
  笑って見せてよ

  どのみち現実は変わらない
  嫌な女です

  時よ
  早く過ぎてよ
  あんたを忘れ去るまで
  こんな心 忘れ去るまで






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